古代ローマで温泉文化をこよなく愛する頭の固い主人公の男が、現代日本にタイムスリップして始まるシュールなドタバタアニメ。
この記事では、2012年に放送された全3話のTVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌の基本的な情報や魅力についてお伝えします。
元から原作漫画『テルマエ・ロマエ』の大ファンだったと公言しているチャットモンチーがTVアニメのために書き下ろしした楽曲でMVにもこだわりが詰まっているのです。
さらに、2012年と2014年に公開された実写映画『テルマエ・ロマエ』、2022年配信のリブートアニメ『テルマエ・ロマエ ノエヴェ』の主題歌・挿入歌についても解説していきます。
TVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌は「テルマエ・ロマン」
2012年放送のTVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌を担当したのは、福岡晃子さんと橋本絵莉子さんで構成された2人組アーティストのチャットモンチーです。
元々は徳島県を拠点に「3人組女性ロックバンド」として活動していたところ、地元のバンド仲間の間で話題になり、雑誌やラジオなどのメディア出演の機会を増やしていき、注目されるようになります。
2011年にメンバーの1人が脱退し、現在は福岡晃子さんと橋本絵莉子さんの「2人組女性ロックバンド」として、全国ツアーをするなど精力的に音楽活動に励んでいました。
2018年7月をもって活動を「完結」させることを発表しましたが、約18年間の間でリリースした19のシングル曲をはじめ、今でもたくさんの曲が聞かれ続けています。
TVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌はチャットモンチーの書き下ろし
チャットモンチーが手がけたTVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌は、「テルマエ・ロマン」です。
そもそもTVアニメタイトルの『テルマエ・ロマエ』の意味は、ラテン語で「テルマエ=温泉(複数形)」「ロマエ=ローマ(複数形)」で成り立っており、意訳すると「ローマの温泉たち」になります。
TVアニメタイトルを踏まえると、主題歌の『テルマエ・ロマン』は「ロマンのある温泉」のような意味を持ちます。
もともと原作漫画『テルマエ・ロマエ』を読んでいてファンだったと語る2人が、「風呂」をテーマにオリジナル曲を書き下ろしました。
TVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌MVにフルーツ牛乳が登場する理由
チャットモンチーの「テルマエ・ロマン」のMVで登場人物がフルーツ牛乳を持っているシーンが話題になりました。
銭湯といえば、「牛乳」「コーヒー牛乳」などさまざまな選択肢がありますが、「フルーツ牛乳」が登場したのはTVアニメ『テルマエ・ロマエ』のストーリーと関連しています。
主人公・ルシウスは、古代ローマから現代日本にタイムスリップした際に、日本の銭湯に衝撃を受けます。
その1つとして銭湯に来ているおじさんたちから勧められたフルーツ牛乳でした。
つまり「テルマエ・ロマン」のMVはTVアニメ『テルマエ・ロマエ』のストーリーと紐づけられているのです。
『テルマエ・ロマエ』の実写映画とリブートアニメの主題歌・挿入歌
続いては、実写映画の主題歌・挿入歌とリブートアニメの主題歌について解説します。
実写映画『テルマエ・ロマエ』の主題歌は「誰も寝てはならぬ」
実写映画『テルマエ・ロマエ』の主題歌には、イギリス出身のラッセル・ワトソンさんが歌う「誰も寝てはならぬ」が採用されました。
「誰も寝てはならぬ」の原曲はルチアーノ・パヴァロッティのトゥーランドットに含まれており、パブで歌手をしていたラッセル・ワトソンさんが観客からリクエストされたこときっかけにボイストレーニングをはじめます。
このボイストレーニングによってテノール歌手として才能を開花させ、1999年ラグビーリーグカップ決勝戦では国家独唱をするまでに上り詰めました。
実写映画『テルマエ・ロマエ』の主題歌になった「誰も寝てはならぬ」は、新録されており、映画用のオリジナル楽曲となっています。
楽曲「誰も寝てはならぬ」について
「誰も寝てはならぬ」は、イタリア出身のジャコモ・プッチーニが作曲をした歌劇「トゥーランドット」に含まれた一曲です。
歌詞がタイトルになっている「Nessun dorma」から歌がはじまるため、世界的にはイタリアの原題がそのまま使われています。
日本ではイタリア語に馴染みがないこともあり、「Nessun dorma」を日本語に訳した「誰も寝てはならぬ」がタイトルに採用されました。
リブートアニメ『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』の主題歌は「闘牛士の歌〜温泉マナーのアリア〜」
リブートアニメ『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』の主題歌には、オリジナル楽曲として制作された「闘牛士の歌〜温泉マナーのアリア〜」が採用されました。
オペラ「カメルン」に含まれている「闘牛士の歌」を独特の”オペラ風の日本語”にアレンジしてリメイクしたものです。
誰もが1度は聞いたことがあるであろう名曲をテルマエ・ロマエ独特の世界観に落とし込んでおり、”やたら壮大な感じ”がクセになることでしょう。
実写映画『テルマエ・ロマエ』の挿入歌まとめ
実写映画『テルマエ・ロマエ』の本編で使われている挿入歌についてまとめました。
『テルマエ・ロマエ』(2012)
実写映画『テルマエ・ロマエ』は、TVアニメ『テルマエ・ロマエ』の放送と同年に上映された作品です。
挿入歌の一覧は、以下のとおりです。
- THERMAE ROMAE
- 皇帝ハドリアヌス
- 驚愕の文明(フルーツ牛乳篇)
- 驚愕の眼文明(シャンプーハット篇)
- THERMAE ROMAE(皇帝とルシウス)
- 皇帝のテルマエ
- 感涙の文明
- 古代ローマへの旅
- 古代ローマへの旅(メランコリー)
- THERMAE ROMAE(ルシウルの悲哀)
- 黄金の果実
- 皇帝からの手紙
- ケイオニウス(葛藤)
- 百人隊長
- 迷宮ローマ
- ケイオニウス(闇)
- 真実の孤独
- 前線基地
- ローマの存亡
- ケイオニウス(運命)
- Commilito Libertus!
- 裏切り者め!(ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第3幕より)
- 女心の歌(ヴェルディ:歌劇「リゴレット」第3幕より)
- ラシーヌ讃歌
- 急いで、起きて、マーリオ!マーリオ!(プッチーニ:歌劇「トスカ」第3幕より)
- 怒りの日(ヴェルディ:レクイエム第2曲より)
- 私の苦しみをお憐れみください(ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第2幕より)
- みいつの大王(ヴェルディ:レクイエム第2曲より)
- 星は光りぬ(プッチーニ:歌劇「トスカ」第3幕より)
- 幼い黒人奴隷たちの踊り(ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第2幕より)
- きたれ、なんじの髪に髪に月桂冠を(ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第2幕より)
- やがて来る自由の日(プッチーニ:歌劇「西部の娘」第3幕より)
- ある晴れた日に(プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より)
- 誰も寝てはならぬ(プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」第3幕より)
- 歌劇「ドン・カルロ」
- 祖国とこの聖なる地を(ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第2幕より)
- 祖国に栄光あれ(ヴェルディ:歌劇「アイーダ」第2幕より)
古代ローマの場面では、三大テノール歌手と称されるプラシド・ドミンゴやレナード・バーンスタイン、ジェイムズ・レイヴァインなどのクラシックで名を残す音楽家たちの楽曲が使われています。
現代日本の場面では、「アンフェア」「沈まぬ太陽」などで知られる住友紀人による迫力ある音楽でルシウスの異文化体験の衝撃を演出していました。
『テルマエ・ロマエII』(2014)
実写映画『テルマエ・ロマエⅡ』は、2012年公開の『テルマエ・ロマエ』の続編として制作されました。
挿入歌の一覧は、以下のとおりです。
- THERMAE ROMAE(元老院の陰謀)
- 最強グラディエーター、アケボニウス
- 好色の次期皇帝
- コロッセオ地下
- 驚愕の装置(ウォータースライダー)
- テルマエ・ユートピア
- バイアエの夢
- 悩むルシウス
- 臭い山賊達
- 感動の湯畑
- マジック・ショー
- 驚愕の装置(不死身人間養成)
- 古代ローマへの旅(天才料理人の報酬)
- テルマエ・ユートピア(混浴露天風呂)
- 友情
- 真実の孤独(ルシウス・混浴は駄目だ!)
- 不思議な治療
- アヴェ・マリア(トイレの奴隷達)
- 疫病感染
- ハドリアヌ倒れる
- アケボニウスの悲哀
- 連れ去られる真実
- ルシウスが死ぬ!?
- 理想郷を目指して
- 悲しみの兄弟
- 恵の湯
- 裏切り者め!(歌劇「アイーダ」より)
- 乾杯の歌(歌劇「椿姫」より)
- ラルゴ(交響曲第9番「新世界より」より)
- ファンランドール(「アルルの女」組曲第2番より)
- 妙なる調和(歌劇「トスカ」より)
- 太鼓とラッパが響けば(歌劇「運命の力」より)
- 衣裳をつけろ(歌劇「道化師」より)
- モルダウ(連作交響詩「わが祖国」より)
- 誰も寝てはならぬ(歌劇「トゥーランドット」より)
- 歌に生き、恋に生き(歌劇「トスカ」より)
- 私のお父さん(歌劇「ジャンニ・スキッキ」より)
- 祖国のとこの聖なる地を(歌劇「アイーダ」より)
- 祖国に栄光あれ(歌劇「アイーダ」より)
2012年に公開された実写映画『テルマエ・ロマエ』で使用された楽曲と共通している挿入歌も多くあります。
古代ローマの場面ではオペラやクラシックなど活気づいた街をスペクタクルに演出する楽曲、現代日本での場面ではルシウスの冒険からワクワク感を感じられる楽曲が使われていました。
まとめ
本記事ではTVアニメ『テルマエ・ロマエ』の主題歌についてお伝えしました。
本作品のために描き下ろしされたオリジナル楽曲となっており、アニメ版のストーリーと関連性のあるMVはYoutubeで視聴できるので、気になる方はぜひ視聴してみてください。
また実写映画やリブートアニメの主題歌・挿入歌では古代ローマを感じさせるクラシックやオペラの楽曲がたくさん使われているので、サウンドトラックを聴いて余韻に浸るのも良いでしょう。
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